形成外科
保険治療のご案内
形成外科(保険診療)では、けが・やけど・切り傷・すり傷・皮膚のできもの・粉瘤・巻き爪・傷あとなど、見た目と機能の両面に配慮した治療を行います。症状や状態を丁寧に診察し、必要に応じて処置や検査をご案内します。
当院で診療している
代表的な形成外科疾患
陥入爪(巻き爪)
陥入爪(巻き爪)とは?

陥入爪とは、爪の端が周囲の皮膚に食い込み、炎症や痛みを引き起こす状態を指します。一方、巻き爪は爪全体、または爪の先端が内側に強く湾曲する爪の変形を意味します。両者は混同されやすいものの、医学的には異なる状態です。
陥入爪では、爪が皮膚を刺激することで赤みや腫れ、痛み、化膿を伴うことが多く、慢性化すると肉芽が形成される場合もあります。巻き爪は必ずしも炎症を伴わず、強く湾曲していても痛みが出ないケースもありますが、進行すると陥入爪の原因になることがあります。足の親指に多く見られ、靴や歩行の影響を受けやすい点が特徴です。
陥入爪(巻き爪)の症状
陥入爪では、爪の端が皮膚に食い込むことで局所の痛みや腫れ、赤みが生じます。状態が進むと、感染を起こして膿が出たり、不良肉芽が形成されたりすることもあります。歩行時や靴の着脱時に強い痛みを感じるようになり、日常生活に支障をきたす場合も少なくありません。一方、巻き爪では爪の湾曲が目立つものの、初期には自覚症状が乏しいことがあります。ただし、爪が厚くなったり、先端が皮膚を圧迫したりすると、痛みや違和感が出ることがあります。爪切りが難しくなる、靴に当たって痛むといった症状が現れることもあります。
陥入爪(巻き爪)の治療について
陥入爪の治療は、炎症の程度や再発の有無によって選択されます。軽症例では、テーピングやワイヤー矯正などの保存的治療により、爪と皮膚の接触を減らして炎症の改善を目指します。症状を繰り返す場合や保存的治療で改善しない場合には、局所麻酔下で爪の一部と爪母を処理する外科的治療が検討されます。巻き爪自体は原則として保険適用外ですが、炎症を伴い陥入爪となった場合は保険診療での治療が可能です。治療方法や使用する器具によっては自費診療となることもあるため、爪の状態に応じて適切な治療法を選択します。
傷跡修正
傷跡修正とは?

傷跡修正とは、けがや手術、炎症などのあとに残った瘢痕(はんこん)に対し、症状の改善を目的として行う医療行為です。一般に「傷跡の治療=美容目的」と捉えられがちですが、すべてが自由診療になるわけではありません。傷跡によって痛みやかゆみが続く場合、皮膚が引きつれて関節の動きに支障が出ている場合などは医学的な治療が必要と判断され、保険診療の対象となることがあります。代表的な例として、赤く盛り上がるケロイドや肥厚性瘢痕、皮膚の収縮によって動きが制限される瘢痕拘縮などが挙げられます。一方で、見た目をより整えたいという目的のみの場合は、美容目的と判断され、保険適用外となります。
傷跡修正の症状
傷跡の症状は、その形成過程や部位によってさまざまです。ケロイドや肥厚性瘢痕では、傷跡が赤く盛り上がり、硬さを伴うことがあります。かゆみや痛みを生じやすく、衣類との摩擦によって不快感が続くケースも少なくありません。また、関節付近や顔にできた傷跡では、皮膚が引きつれることで動かしにくさが生じることがあります。これを瘢痕拘縮と呼び、指や肘、膝の曲げ伸ばしが制限されたり、まぶたや口元の動きに影響が出たりする場合もあります。
一方、成熟した瘢痕では、白っぽく平坦になるものの、皮膚の質感が変化して目立つことがあります。症状の有無や程度によって、治療の必要性が判断されます。
傷跡修正の治療について
傷跡修正の治療は、瘢痕の種類や症状の強さ、部位などを考慮して選択されます。保険診療で行われる治療としては、まずステロイド外用薬や注射による治療が用いられることが多く、盛り上がりや炎症、かゆみの軽減を目的とします。症状が強い場合や皮膚の引きつれによって機能障害が生じている場合には、外科的治療により動作の改善を目指します。レーザー治療は、色調や質感の改善を目的として行われることがありますが、保険適用となるかどうかは治療目的によって異なります。多くの場合、治療は段階的に進められ、経過を確認しながら調整していきます。
外傷
外傷とは?

外傷とは、一般的には「けが」と呼ばれるものです。転ぶ、ぶつかる、鋭利なものに触れるといった外部からの刺激によって、皮膚や筋肉などの組織が損傷を受けた状態を指します。日常的な擦り傷・切り傷のような軽いものから、骨折や臓器損傷を伴う重篤なものまで幅広く、重症の場合には複数の診療科が連携して治療にあたることもあります。けがの程度によっては早急な処置が必要となるケースもあるため、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
外傷の症状
けがの症状は部位や種類によって異なりますが、皮膚や軟部組織の損傷による痛みや出血が代表的です。損傷が深く神経や腱に及ぶ場合は、しびれや麻痺、筋力の低下が生じることも。また、傷口から細菌が侵入すると感染を起こし、赤みや腫れ、膿、発熱などを引き起こす場合があります。特に動物に咬まれた傷は感染リスクが高く、見た目以上に深部まで細菌が入り込んでいることがあるため、早めの処置が重要です。
外傷の治療について
切り傷や擦り傷などの初期治療・縫合処置、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療、傷跡の引きつれによる機能障害の改善などは、基本的に健康保険が適用されます。一方、機能的な問題がなく「見た目をきれいにしたい」「目立たない傷跡を修正したい」といった美容目的の治療は自由診療となります。また、業務中や通勤中のけがは労災保険、交通事故によるけがは加害者負担となるなど、けがの原因によって適用される制度が異なる場合があります。傷あとの状態や治療目的によって保険適用の可否が異なるため、まずは医師にご相談ください。
やけど
やけどとは?

やけどとは、高温の液体や固体、炎などが皮膚に触れることで組織が損傷した状態を指します。熱いお湯や油、鍋やアイロンへの接触など、日常生活の中に原因は数多くあります。また、比較的低い温度でも長時間触れることで生じる低温熱傷、化学薬品による化学熱傷、電気による電撃傷など、原因によってさまざまな種類があります。子どもから高齢者まで幅広い年齢層で起こりやすく、注意が必要なけがのひとつです。
やけどの症状
やけどは深さによりⅠ度からⅢ度に分類されます。皮膚が赤くなる程度のⅠ度は数日で回復しますが、水ぶくれや皮膚の剥離が生じるⅡ度は状態によって傷あとが残り、治療に1〜4週間かかります。皮膚全層から皮下組織に達するⅢ度は深刻な損傷で痛覚が失われ、1か月以上の治療を要することもあります。損傷が深いほど傷あとが残りやすく、広範囲に及ぶ場合は発熱などの全身症状が現れることもあります。
Ⅰ度:皮膚の発赤、数日で回復
Ⅱ度:水ぶくれ形成、治療1〜4週間、深さにより傷あと
Ⅲ度:皮下組織までの深刻な損傷、痛覚消失、治療1か月以上
やけどの治療について
やけどの治療は、深さに応じた処置や軟膏治療、植皮術(皮膚移植)などは基本的に健康保険が適用されます。また、治癒後に生じた傷あとの引きつれ(瘢痕拘縮)やケロイド・肥厚性瘢痕に対する治療も、機能的な問題や痛みを伴う場合は保険適用となります。一方、機能的な問題がなく「やけど跡をさらに目立たなくしたい」といった美容目的の治療は自由診療となります。
粉瘤
粉瘤とは?

粉粉瘤(アテローム)とは、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質がたまって徐々に大きくなる良性の皮下腫瘍です。背中や顔、首にできることが多いですが、全身のどこにでも生じる可能性があります。腫瘍の中央に黒い点があることが特徴で、強く圧迫すると白色の角質物が出てくることがあります。放置しても自然に消えることはなく、時間の経過とともに少しずつ大きくなっていきます。
粉瘤の症状
多くの場合、自覚症状はなく、皮膚の下にコロコロとした弾力のあるしこりを感じる程度です。腫瘍内部には垢と皮脂が混ざった粥状のものがたまっており、強く圧迫すると中央の黒い点から白色の角質物が出てくることがあります。ニキビと見た目が似ていることがありますが、ニキビは自然に治ることがある一方、粉瘤は自然に消えることなく徐々に大きくなり続けます。また、細菌感染を起こすと患部が赤く腫れ、強い痛みや悪臭を伴うこともあります。
粉瘤の治療について
粉瘤の切除手術は、自然に治ることがなく炎症や感染のリスクを伴う疾患に対する治療として、基本的に健康保険が適用されます。
脂肪腫
脂肪腫とは?

脂肪腫(しぼうしゅ)とは、皮膚の下にできる良性腫瘍で、脂肪細胞が増殖して形成されるしこりです。医学的には「リポーマ(lipoma)」とも呼ばれ、多くの場合は皮下のやわらかい組織に発生します。触れると弾力があり、指で押すと少し動くのが特徴です。成長は非常にゆっくりで痛みやかゆみを伴わないことが多いため、長期間気づかずに経過するケースも珍しくありません。発症年齢は幅広いものの、40~50代で見つかることが多く、背中や首、肩、腕、太ももなどに好発します。脂肪腫は基本的に良性で命に関わることはほとんどありませんが、大きくなることで衣類に引っかかる、圧迫感が出るなど日常生活に影響を及ぼすこともあります。
脂肪腫の症状
脂肪腫は、やわらかく丸みのあるしこりとして皮膚の下に触れるのが特徴です。多くの場合、痛みや炎症、赤みを伴わず、押しても強い痛みは感じません。一方で、脂肪腫の種類や発生部位によっては違和感や痛みを伴う場合があります。たとえば血管脂肪腫では、しこりの中に毛細血管が多く含まれるため、圧迫時や安静時にも痛みを感じることがあります。また、筋肉の深い部分にできる筋脂肪腫では、外から分かりにくく、動かした際の違和感として気づくこともあります。脂肪腫が大きくなると、見た目だけでなく圧迫による不快感が生じることがあるため、症状が軽くても増大している場合や不安がある場合は早めの受診がすすめられます。
脂肪腫の治療について
脂肪腫の治療は、外科的にしこりを摘出する手術が基本となります。内服薬や外用薬で改善することはないため、根本的な治療を希望する場合には手術が選択されます。脂肪腫の摘出手術は、良性腫瘍であっても、悪性腫瘍との鑑別や病理検査が必要となるため、医学的に必要な治療として保険診療の対象になります。しこりが小さい場合でも、日常生活の支障や精神的な不安が考慮され、保険適用で対応されるケースは少なくありません。多くは局所麻酔による日帰り手術で行われ、脂肪腫の大きさや部位に応じて治療方法や費用が決まります。治療の適応については、医師の診察を受けたうえで判断されます。
けがや傷あと、できものなどは、早めの受診で治療の選択肢が広がることがあります。気になる症状は悪化する前にご相談ください。